第一探偵事務所 仙台本部

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親権を獲得するための証拠収集とは?

約13分
親権を獲得するための証拠収集とは?

子どもが関係する取り決めは、重要かつナーバスな問題です。後悔しない選択をするために、「親権・監護権」「面会交流」の知識や手続を詳しくご紹介いたします。

親権・監護権とは?

子どもをもつ夫婦が離婚をする際に最優先で考えなければいけないことが「子どもをどちらかが引き取るか」という親権・監護権の問題です。

親権とは、成年に達してない子どもを監護・養育する権利です。

つまり、一緒に住んで、教育やしつけをし、財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為を行うことです。

本来は父母が共同して親権を行使しますが、離婚するとそれができなくなるため、父母のいずれかを親権者として決めなければなりません。

親権には、「身上監護権(居住指定権、懲戒権、職業許可権など)」と「財産管理権」が含まれます。このうち、親が子どもを監護し教育する権利・義務である「身上監護権」のことを個別に「監護権」と呼んでいます。

監護権とは、親が親権をもつうち(子どもが成人に達するまで)は子どもの近くにいて、子どもの世話や教育をする親の権利・義務、わかりやすくいえば、子どもが一人前になるまで同居して身の回りの世話をする権利・義務と言えます。

ちなみに、懲戒権の「懲戒」とは、一般に、子の問題行動に対して、監護教育の観点から、これを矯正するために、必要な範囲で実力を行使することをいいます。懲戒権の法的根拠は民法822条、民法820条に求めることができます。

「親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲でその子を懲戒することができる。」

参考:民法822条

「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」

参考:民法820条

親権はどうやって決まる?

夫婦に成年に達しない子どもがいる場合、夫婦のどちらが親権をもつかを決めないと離婚届が受理できないようになっています。

協議離婚の場合は、話合いにより夫婦のどちらか片方を親権者と決めます。

しかし、親権をめぐって折り合いがつかない場合には、家庭裁判所による調停をもとに親権者を決めることになります。調停でも難しい場合には、裁判所の判断に委ねることになります。

家庭裁判所が親権者にふさわしいかどうかを判断するにあたっては、父母側、子ども側双方の事情を考慮します。

父母側の考慮される事情とは?

父母側の事情としては、父母の年齢、性格、健康状態、これまでの監護養育状況や今後の監護意欲、生活状況(職業、資産や収入、生活態度など)、生活環境(住宅、居住地域、学校など)があります。

子ども側の事情とは?

一方で、子ども側の事情としては、子どもの年齢、性別、心身の発育状況、生活環境の変化への適応性、子どもの意思、父母・きょうだい(兄弟姉妹のこと)との関係性などがあります。

親権の取得において何が優先される?

親権は、離婚に際して決定しなければならない事項で、夫婦の両方が親権を主張すると、なかなか話合いでは解決しないことが多い問題でもあります。

話合いで解決しない場合、裁判所の判決(または審判)によって決定されることになります。裁判所による親権者の適格性判断基準として、「母親(母性)優先」「現状の尊重(継続制)」「きょうだい不分離」などがあります。

1.母親(母性)優先

乳児期の心身の健全な育成にとっては、母親の愛情と養育が重要であり、母親による監護養育が望ましいという考え方です。もっとも、生物学上の「母」という存在ではなく、母親的役割つまり「母性」という役割が重要として、母性優先ともいいます。

そのため、父親が子育てに深く関わり母性的役割を果たしている状況があれば、その他の事情にもよりますが、父親が親権者とされることもあります。

2.現状の尊重(継続性)

監護者の変更は、監護する親や学校や友人など、子どものそれまでの生活環境を一変させ、子どもに大きな精神的負担を与える可能性があるため、現在の子どもの監護養育環境が安定しており特段問題がないのであれば、現状の監護養育を継続することが子どもの福祉にとっては望ましいという考え方です。

ただし、親権者・監護権者を決定する前に監護していた者が有利となると、子どもを無理やり連れ去るなどの違法行為を助長することにもなるため、違法な連れ去り行為は。親権者の適格性判断において、不利な事情として考慮されることになります。

3.子の意思の尊重

親権者・監護者は、子どものために決定するものである以上、子どもの意思を尊重するという考え方です。

子どもが15歳以上の場合は、裁判所が調停や裁判をするにあたり、子どもの意見を聴取する必要があり、それ以下の年齢の子ども(10歳程度が目安)でも、子どもの意思を把握するよう努め、年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮する必要があることが法律上求められています。

3.1.子どもが15歳以上の場合

子どもが15歳以上の場合は、子ども自身が親権者を父母のどちらにしたいかを判断できると考えられることから、裁判所は子どもの意見を聴き取り、子どもの意思が尊重されます。

そのため、虐待などで子どもの意思が抑圧されているなどの特別な事情がある場合は別として、子どもが父母どちらを親権者としたいかと考えるかが非常に重要になります。

つまり、今までの子どもとの接し方や家庭環境などが重要になってきます。離婚を考え出してから。子どもに、自分を親権者に選ぶように圧力を加えるなどは行うべきではありません。

3.2.子どもが15歳未満~10歳前後の場合

子どもが15歳未満でも、10歳程度になると、自分自身で考え判断できると考えられ、子どもの意思がある程度尊重されるようになります。

もっとも、どの程度子どもの意思が尊重されるかは、子どもの発育状況や周囲からの影響の程度など、さまざまな事情を考慮して判断されることになります。

そのため、子どもの意思以外の事情もある程度考慮されると考えられますので、養育環境を整える、これまでの養育環境の証拠保全をするなどをしておくべきです。例えば、以下のようなものです。

  • 自分の両親(子どもにとっての祖父母)や親族に子どもの養育への協力を要請しておく、または、協力を開始してもらう。
  • 既に別居中であれば、相手からの面会交流などの希望にはできる限り応じる。
  • 学校の担任教諭やかかりつけ医、習い事の先生など子どもの状況を知っている第三者に事情を話して、これまで自分が積極的かつ適正に養育・監護を行ってきたこと、一方で、相手は関りが薄い(ない)ことなどについて、それぞれの立場から客観的事実を証言してもらえるように協力を要請しておく。
  • 子どもの意思決定に不当に介入しないように気をつけ、かつ、子どもの精神状態等に配慮しながら、子どもと話し合いをする 等。

相手との同居を解消し、転居を考えている場合は、転居の際に、「母子手帳」や子どもの「成長の記録」や「日誌」などの養育の記録を持ち出すのを忘れないようにしましょう。

また、転居先については、なるべく子どもの生活環境を変えないように、転校などが不要な場所とすることも検討するべきでしょう。

3.3.子どもが10歳前後未満の場合

この場合は、子どもの発育状況などにもよりますが、あまり子どもの意思が尊重されないことが多く、それまでの養育環境や今後の養育環境が重要になってきますので、上記3.2と同様の対応をとることになります。

4.きょうだい不分離

きょうだいは、心理的な繋がりが強く、共同生活により得られる経験が心身の健全な育成に役立つことが期待できるため、同じ環境で同一人により監護養育されることが望ましいという考え方です。

ただ、この基準は他の基準に比べそれほど重要なものとはされておらず、親や子どもの意思などから、親権者を分離することもあります。

5.その他

専業主婦の方や生活保護受給者などが親権を希望する場合に問題となるのが経済状況ですが、「公的援助」や「養育費」などで最低限の生活は保証されることから、あまり大きな問題とはなりません。

これに対し、子どもの成長に必要なものとされる面会交流が実施されるかは、親権者の適格性判断において一定程度考慮されることになります。

子どもの親権について争うことになった場合には、以下の提出を求められることがあります。

  1. 源泉徴収票、確定申告書、給与明細書 (経済状況を示す資料として)
  2. 診断書(自分の健康状態を示す資料として)
  3. 間取り図(住居の状況を示すものとして)
  4. 母子手帳・診断書(子どもの心身の発育状況、健康状態を示す資料として)
  5. 保育園・幼稚園の連絡帳、学校通知表(現在の通園・通学先における状況を示す資料として)

裁判で親権を取るには?

親権を取るために裁判でどんな主張をしたら良いかを考えてみます。以上をふまえて、訴訟においては①生活状況、②経済状況、③子の状況、④子との相手(夫または妻)との交流の状況、⑤今後の養育方針や計画、非親権者と子との交流についての意向、⑥自身が親権者としてふさわしく、一方、相手が親権者としてふさわしくないと考える理由などを具体的に裁判所に書面(陳述書など)で主張することになります。

1.生活状況

自分の経歴、就労状況、健康状態、平日及び休日の生活スケジュール、同居の家族の詳細、住居の状況などを具体的に記載します。

2.経済状況

自身の収入や一緒に同居している人の収入などを具体的に記載します。

3.子の状況

子どもの育成歴、(別居前の)監護の状況、子どもの健康状態や性格、現在の生活状況などを具体的に記載します。

4.子と相手(夫または妻)との交流の状況

別居後に面会交流などを任意で行っていたのであれば、その状況などを具体的に記載します。

5.今後の養育方針や計画、非親権者と子との交流についての意向

監護養育補助の有無、いる場合はその人の詳細とその補助の内容も含め、具体的に記載し、養育・教育の方針を具体的に記載します。

6.自身が親権者としてふさわしく、一方、相手が親権者としてはふさわしくないと考える理由

子どもと接している時間の長短、子どもへの愛情、お互いの性格、お互いの生活環境、具体的なエピソードなど、様々なことを具体的かつ簡潔に記載します。

親権を勝ち取るための証拠収集とは?

自分の生活状況及び経済状況については、家の間取り図や同居者の住民票、収入証明など、裁判となった後からでも取得は比較的容易といえます。

子の状況については、母子手帳、おくすり手帳、幼稚園または保育園の連絡帳、学校の通知表、習い事の連絡帳などを証拠として提出することになりますので、別居する際の転居などで紛失したり捨てたりしないように気をつける必要があります。

別居後、任意に面会交流をしていた場合には、写真や日記などで面会交流実施日が分かるようにしておき、面会交流に問題があった場合は、文章で抗議したり、子どもの状況によっては医師の診療を受け、状況を説明し、カルテに残しておいてもらうなどの対応が必要になる場合も考えられます。

この他に、多くの場合、家庭裁判所の調査官が、夫婦の状況や子どもの状況などを調査し、報告書を裁判所に提出します。

調査対象は、本人や子ども、同居の家族、保育園や幼稚園、学校、かかりつけ医など様々で、自宅訪問も行われます。

調査官は、訴訟におけるそれぞれの主張をふまえて調査を行い、調査結果と調査官の意見を裁判所に提出することになり、この調査官の報告書は、裁判所の判断に大きな影響を与えることになります。

また、調査官調査では、それまでの生活状況や子どもの監護養育状況があらわになってしまうことになりますので、家庭において、子どもにとって生活しやすい環境づくりを心掛ける、子どもの安全や健康に気を配り、体調面については適切なタイミングで医師の診察を受ける、日頃から親として保育園・幼稚園や学校などとの関りを積極的にもつ、担任の先生ともよい関係をつくっておく、など継続的に適切な監護養育を行っておく必要があります。

監護養育を補助してくれる親族などがいる場合には、日頃から積極的に関わってもらっておき、現実に補助が受けられていることを示すことも有用でしょう。

相手から子どもへの虐待を疑われている場合には、事前に子どもの体に虐待痕がないことを医師に確認してもらい、カルテや診断書等書面にしておいてもらうことも考える必要があります。

面会交流について

離婚後は親権者が子どもを引き取って育てるのが原則です。ただ、「親権者」とならなかった側の親にとって子どもと会いたいと思うのは自然なことです。

このように、子どもと離れて暮らしている親が、子どもと会って話をしたり、一緒に買い物や遊びに出かけるなど親子が交流する権利を「面会交流権」といいます。

面会交流についての取り決めは、離婚後に話し合う機会があるとは限らないので、離婚時に決めておいた方が良いでしょう。

面会交流の取り決め内容

面会交流の取り決め内容は、先ず面会交流ができるかどうか、その方法、回数、日時、場所などです。うやむやにならないように内容は書面に残しておくことをおすすめします。

面会交流の頻度1月に2回、隔週日曜など
面会交流の時間開始時刻と終了時刻、例えば10~17時までなど
面会交流の場所遊園地・非監護者の自宅など
元夫婦の連絡方法どのように連絡を取るのか
子供の受け渡し場所・方法連れて行くのか、迎えに行くのかどこで引き渡すのか、例えば相手の住んでる場所の最寄り駅など
都合が悪い場合の対応別の日に変更するなど
宿泊・旅行宿泊や旅行は可能なのかどうかGWと夏休み特定の日だけ1泊2日だけ可能など
学校行事への参加運動会・発表会・授業参観など
その他のやり取り電話や手紙は可能かどうか
プレゼント誕生日・クリスマスなどにプレゼントを贈ることは可能かどうか
遠方の場合は交通費の負担交通費をどちらが負担するのか
祖父母との面会認めるのか、場所や方法、時間、受け渡し方法はどうするのか

当事者間での話合いによる解決が難しい場合には、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てます。

調停でもまとまらない場合には審判に委ね、裁判所に判断してもらうことになります。この場合、家庭裁判所調査官による調査(調査官調査)や試行的面接を行うことがあります。

調査官調査とは?

調査官調査では、子どもが面会交流についてどのように思っているのか、面会交流をすることで子どもや監護する親に与える影響などを調べます。

試行的面接とは?

子どもと非監護親が接する様子を「表情」や「態度」で見極めるためにテストとして行われる面会交流のこと。

面会交流が認められないケースとは?

面会交流は非監護親の権利ですが、「子の利益をもっとも優先して考慮しなければならない」と定められており、面会交流を認めることが「子どもの福祉」にとって望ましくないと裁判官が判断した場合、審判では認められないこともあります。

典型的なものとしては、非監護親による子どもの連れ去りのおそれ、非監護親による子どもへの虐待のおそれ、非監護親の監護親への暴力等、非監護親に酒乱、薬物使用などの問題行為違法行為が存在する場合などです。

判断能力のある子どもが非監護親に対して、明確に恐怖、嫌悪、拒否等の感情を示し、面会交流を拒否している場合にも、拒否されることが多いと考えらえれます。

そのほか、面会交流の実施により、子どもへ悪影響を及ぼす場合や、子どもの精神的安定を害するおそれが強いなどの場合にも、面会交流が否定されることがあるといえます。

このように、面会交流が裁判所に認められるかどうかは、様々な個別事情を総合的に考慮して、子どもにとって面会交流を行うことが本当に適切かどうかという視点から判断されることになります。

養育費の不払いと面会交流の実施

非監護親による養育費の不払いと面会交流の実施とは、性質の異なる問題であり、関連するものとして考えることは原則できません。しかし、非監護親とって不利な事情になると考えられます。

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