第一探偵事務所 仙台本部

探偵・興信所

借金は離婚理由になる?

約5分
借金は離婚理由になる?

夫や妻が作ってしまった家計を逼迫する多額の借金はとても悩ましいものです。借金の相談先で一番に思いつくのは「弁護士」だと思いますが、意外なことに借金に関する調査の相談は探偵にも一定数あります。その理由は借金に関する証拠を集めるためです。

先ずは借金を理由に離婚をお考えの方に向けて、借金自体が裁判で認められる離婚理由に当たるのかネット上にある事例と一緒にご説明いたします。

相談事例

相談事例

相談者:真由美さん(45)、夫との間に子2人

相談内容:会社経営に失敗し、多額の借金を抱えた夫。親にお金を無心され、もう離婚したい。

真由美さん(45)と夫との間には二人の娘が産まれ、絵に描いたような幸せな家庭生活を送っていました。しかし、夫が働いていた会社が倒産したことでその状況は一変します。

夫は借金をして自分で事業を始めましたが、うまくいかずに倒産。多額の借金が残りました。夫は勤労意欲はあり、職を転々としながら働き続けましたが返済額には程遠いものでした。

金銭面に几帳面で、平凡ながらもきちんとした生活を送りたいという考え方の真由美さんはピアノ教室を開いて、生計を助けました。しかし、ストレスが溜まり、メニエール病を発症してしまいます。

夫はしばらくしてまた新しい会社を立ち上げましたが、これも軌道に乗ることはありませんでした。娘二人が中学生になった頃には、夫の収入では生活費を賄えないほど生活は困窮するようになり、夫は真由美さんの両親に借金返済の援助を求めるようになります。

しかし、夫の会社はまたもや倒産。さらに多額の借金だけが残ってしまいました。

苦しい生活に耐え続けてきた真由美さんでしたが、これ以上夫と関わると永遠に借金を返すだけの生活に追われることが想像され、娘たちの将来も不安で仕方ありません。

この生活から抜け出したい、思い切って離婚したいと考えている真由美さんですが、借金と不安定な生活を理由に果たして離婚できるものなのか、不安に思っています。

借金による離婚請求は裁判で認められる?

結論になりますが、夫または妻の一方に借金がある、あるいは収入がないと言ったことだけでは、裁判上の離婚理由とはなりません。借金であれば、借入れの目的・使途(ギャンブルや遊興費の目的なのか、生活費不足を補うものなのか)、金額、夫婦の収入、財産の状態、家計の状態、配偶者の了承の有無等が考慮されます。

その上で、相手に対する信頼と愛情を失わせ、婚姻関係を深刻に破綻させて回復の見込みがない場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たると考えられます。

事例に対する弁護士の解説

事例に対する弁護士の解説

この事例と類似の裁判で、裁判所は「妻と夫の婚姻関係はすでに破綻しており、その回復は到底期待し難く、そのような破綻を招いた原因は、確たる見通しもなく転々と職を変え、安易に借金に走り、その挙句、妻の親族らに借金返済の援助を求めるなど、著しくけじめを欠く生活態度に終始し、妻の健康状態、特に、難病と言われる潰瘍性大腸炎のため心身にいたく打撃を受けていた妻に思いやりを全く欠いた夫の責に帰すべきものと言わざるを得ない」として妻の離婚請求を認めています。

そのため、真由美さんが裁判を起こした場合、その請求が認められるものと思われます。

このように、真由美さんの事例と類似の裁判で裁判所は妻の離婚請求を認めましたが、単に職を転々としたり、借金を作ったことを理由に離婚請求を認めたわけではありません。

実際、ほかの判例では、多額の借金があったり、収入が不安定であることを理由とした離婚訴訟で請求が認められなかったケースも多く存在します。

類似の裁判では、妻の病気に対する配慮を欠いたことも一つの要因と思われます。

真由美さんの事例からわかることは、多額の借金や収入不安定のみを理由とした離婚請求が認められる可能性は必ずしも高くはないものの、他の事情と合わせて、いわば、「合わせ技一本」のような形で離婚請求が認められることを示唆しているということです。

どのような証拠を収集するべきか?

どのような証拠を収集するべきか?

このような多額の借金・収入不安定事例では、借金や収入が不安定であることによって、どのような不利益があったかが分かる資料が必要であると考えられます。

例えば、「請求書」や「支払明細書」など借入額や借入目的・使途が分かる資料、所得(課税)証明書や源泉徴収票など、その当時のお互いの収入状況がわかる資料、預貯金通帳など当時の財産状況がわかる資料、家計簿など当時の家計収支が分かる資料、借入れや収入が不安定であることについての互いのやり取り内容(LINEやメール、録音)などの証拠が挙げられます。

宮城県で借金調査なら第一探偵事務所

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以上の事例からも分かるように借金があるだけでは離婚できません。しかし、探偵の行動調査によって対象者の「浪費」を確認することができます。具体的には、家計を逼迫するようなギャンブルや買い物などをしていないかを調べることで、それが証拠の一つとなる可能性があります。

宮城県にお住いの方で、探偵の借金調査が必要でしたら当探偵事務所までお気軽にご相談ください。

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