第一探偵事務所 仙台本部

探偵・興信所

探偵業法とコンプライアンス

約7分
探偵業法とコンプライアンス

探偵にとって、何はさておき第一に守らなければならないのは「守秘義務」です。同様に、法律を理解して従うコンプライアンスの意識も重要です。私たち探偵は警察ではありませんので、法律で許された範囲でのみ行動しなければなりません。

探偵はどのような法律で、その業務を規定されているのでしょうか?

探偵には守らなければならない法律「探偵業法の業務の適正化に関する法律」があります。探偵を目指す人や探偵に依頼を考える方に向けて、通称「探偵業法」についてご紹介いたします。

探偵業法とは?

この法律において「探偵業法」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいいます。

探偵業法の目的

探偵業法は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的としています。

背景

探偵者、興信所等の調査業については、

  • 調査依頼者との間における契約内容等をめぐるトラブルの増加
  • 違法な手段による調査、調査対象者等の秘密を利用した恐喝等、従業者による犯罪の発生

等の悪質な業者による不適正な営業活動が後を絶ちませんでした。

それまで、日本には、調査業を規制する法律はありませんでしたが、このような状況にかんがみ立法化が検討された結果、調査業のうち探偵業について、平成18年6月「探偵業の業務の適正化に関する法律(以下「探偵業法」といいます。」)が制定され、平成19年6月に施行されました。

探偵業法の定義と欠格事由

定義

「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいいます。

この探偵業務を行う営業を「探偵業」といいますが、専ら放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものは除かれます。

欠格事由

次のいずれかに該当する場合は、探偵業を営むことができません。

  1. 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
  3. 最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
  4. 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  5. 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が1から4及び6のいずれかに該当するもの
  6. 法人でその役員のうちに1から4までのいずれかに該当する者があるもの

届出制の導入

探偵業を営もうとする者は、営業を開始しようとする日の前日までに、営業所ごとに営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(所轄警察署経由)に、営業の届出をしなければなりません。

それぞれの届出書の添付書類は、探偵業の業務の適正化に関する法律施行規則において定められています。

探偵業の業務の適正化に関する法律施行規則(PDF形式:117KB)

探偵業務の実施の原則

  • 探偵業者等は、探偵業務を行うに当たっては、他の法令で禁止・制限されている行為を行うことができることとなるものではありません。
  • また、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければなりません。

契約時における探偵業者の義務

探偵業務に係る契約の適正化を図るため、依頼者側の問題に関する義務と探偵業者側の問題に関する義務が定められています。

書面の交付を受ける義務

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、依頼者から、調査結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければなりません。

重要事項の説明義務等

探偵業者は、契約を締結しようとするときは、あらかじめ、依頼者に対し、契約の重要事項について書面を交付して説明しなければなりません。
探偵業者は、契約を締結したときは、依頼者に対し、契約の内容を明らかにする書面を交付しなければなりません。

探偵業務の実施に関する規制

  • 探偵業者は、調査結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはなりません。
  • 探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはなりません。

秘密の保持

  • 探偵業者の業務に従事する者は、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはなりません。
  • 探偵業者は、探偵業務に関して作成・取得した資料の不正・正当な利用の防止措置をとらなければなりません。

探偵業者の従業者に対する教育

  • 探偵業者は、その従業者に対し、探偵業務の適正な実施のために必要な教育を行わなければなりません。

名簿の備付け等

  • 探偵業者は、営業所ごとに、従業者名簿を備えて、氏名、採用年月日、従事させる探偵業務の内容等を記載しなければなりません。
  • 探偵業者は、探偵業届出証明書を営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。

監督

  • 都道府県公安委員会は、探偵業者に対し、報告の徴収、立入検査、指示、営業停止命令、営業廃止命令等を行うことができます。

探偵に認められる権利とは?

ここまで、探偵業法の抜粋を記載いたしました。ここで注目していただきたいのは、「探偵業務」についてはっきり明文化されていることです。

ある特定の人物の所在や行動を調査し、そのことを依頼者に報告するものと定義されています。そのため、「聞き込み」「尾行」「張り込み」が探偵の仕事であり、そのこともまた法的に容認されていることが分かります。

探偵業はプライバシーを侵害する違法な職業と思われがちですが、全くそれには当たらないことが分かっていただけるはずです。

探偵の尾行はストーカー行為?

稀に「探偵の尾行はストーカー行為にならないのですか?」と質問をされることがあります。探偵の調査はストーカー行為つきまといにはなりません

その理由は、探偵業や探偵業務は正しい手続きを経て依頼を受け、各種法令や条例を遵守して行うもの及びそれら業務を営むものと探偵業法で定められています。つまり、探偵業務は探偵業者にとって正当な業務のため「ストーカー行為」には該当しません。

また、ストーカー行為とは「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する」ことを目的にする行為に限られるという側面もあります。

ストーカーとは、主に一方的な恋愛感情や好意の感情・私怨などを持ち、特定の相手に「つきまとい」「待ち伏せ」「いやがらせ」等の行為を行い、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」による規制の対象になる違法行為を指します。

別れさせ・出会い工作とは?

ある探偵事務所のサイト(ホームページ)を覗くと、「別れさせ工作」や「出会い工作」を業務としているケースがあります。しかも、大半の事務所が探偵業の届出もされています。

繰り返しになりますが、「探偵業法」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務です。

以上から読み取れる通り、探偵業法は「収集」を目的としているわけで「工作」は目的としていません。つまり、工作業務はグレーな行為と言えます。

要するに、探偵が「別れさせ工作」や「出会い工作」を行っているのではなく、これらの工作を行う業者が探偵業の届出をされているのです。

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